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スノーシュー

近年、人気が高まっているスノートレッキングは冬の山道を歩くことで、冬にしか見られない自然の表情を楽しむというものです。このスノートレッキングで活躍するのがスノーシューです。雪が深く積もって歩きにくい山道をものともせず歩くことが出来るスノーシューとはどのようなものかを詳しく紹介していきます!

スノーシューとはどんな道具か

スノーシューは、靴に装着して雪道を歩きやすくする道具です。日本では「かんじき」と呼ばれているものとほとんど同じです。スノーシューもかんじきも、「体重の掛かり方を変化させることで雪に埋まらない歩き方ができる」ようにするという道具なのです。

スノーシューの原理とは

本来、人間の体重は足の大きさと同じ面積に均等に掛かるようになっているので、20~30cmほど雪が積もった道を歩こうとすると積雪に足が埋もれてしまいズボッ、ズボッ、と雪から足を抜きながら歩かなければなりません。しかし、スノーシューを装着しているとスノーシューの大きさの分だけ掛かる重さが拡散されて、雪に沈み込みにくくなるのです。いわば、忍者の「水蜘蛛の術」のように雪の上をすいすいと歩くことが出来るわけです。

スノーシューの使用目的とは

そもそも、スノーシューやかんじきは冬の時期に狩りを行う猟師によって考案されたものです。冬の時期は熊が冬眠期に入っているため、比較的安全に狩りを行うことが出来るのですが、雪道の歩きにくさで思うように成果が挙げられないことも度々だったことから考え出されたといわれています。スノーシューは基本的に、積雪量の大きい山道を歩きやすくするためのものですが、都市部などでドカ雪が積もった時でも使えます。

スノーシューとかんじきの違いとは

では、スノーシューとかんじきにはどのような違いがあるのでしょうか? 日本のかんじきは基本的にはフジやタモなどの、加工しやすく乾燥させれば固くなる木を材料としています。一方スノーシューは、大部分はかんじきと同じなのですが雪に接する面に布を張っています。かんじきは基本的に木で出来た円形の枠を足に縛り付けるものですが、スノーシューはクロスカントリースキーのようにかかとの部分がある程度自由になるように出来ています。これによって、スノーシューはかんじきよりも歩きやすくなっているのです。

スノーシュー・かんじきの歩き方、楽しみ方

では、かんじきやスノーシューでの歩き方と、山道を歩くスノートレッキングの楽しみ方を紹介していきます。

スノーシューの歩き方、かんじきの歩き方

ここで注意しなければならないのは、スノーシューとかんじきの歩き方の違いです。スノーシューはスキー板よりも幅が大きめになっているので、クロスカントリースキーと同じ感覚でいいのですが、かんじきの場合スノーシューよりも更に大きめなので必然的にガニ股で歩かなければなりません。また、かんじきはかかとも固定されているので歩く時は四股を踏むように、右足を上げて左足に重心を移動しながら一歩、左足を上げて右足に重心を移動しながら一歩…、というように歩かなければなりません。なので、初心者はスノーシューを使うようにしたほうが良いでしょう。また、スキーのストックを併用するとスノーシュー・かんじき共に歩きやすくなります。

スノーシュー・かんじきでスノートレッキングを楽しむ

スノートレッキングの魅力はなんと言っても、冬にしか見ることのできない雪化粧した雄大な景色と、自然を満喫できることにあります。また、人の立ち入らない雪道を歩くオリエンテーションとしての楽しみもあります。スノートレッキングは冬の観光地においては、新しいレジャーとしてツアーを企画し案内を行うなど、力を入れている所も増加しているので割合簡単に体験できるようになってきています。

スノートレッキングで気をつけたいことは

スノーシューやかんじきで簡単にスノートレッキングが出来るようになったとは言うものの、山に入るのですからいくつかの注意点があります。まず、「案内者の指示に従うこと」です。雪で崖や川が視認しにくくなっていることがあるので、勝手に歩いてしまうのはたいへん危険なことです。第二には「万全の備えで臨む」ことです。防寒着をはじめ、非常食にもなるチョコレートなどのカロリーの高い食品やレジャーシートといった万が一の時に役立つものをきちんと用意しておくのが肝心です。第三には「ゴミは必ず持ち帰る」ことです。スノートレッキングで歩く山道は、夏場も人が通る道であるのです。最低限のマナーとして忘れないようにしましょう。