エンジョイ!雪遊び

手袋

手袋は雪遊びにおいて欠かせない防寒具の一つです。手袋は、特に冷えやすい箇所である手指を保護し、温度を保つ働きをしてくれます。雪を扱う雪合戦やかまくら作りから、スキーやスケートなどの人の多い場所でのウィンタースポーツでも大活躍する手袋について迫っていきます!

手袋の文化を見直す

手袋が人類の歴史に登場したのは割合古く、紀元前4世紀以前にまで遡ると言われています。古代エジプトの少年王ツタンカーメンの王墓からも手袋が発掘され、古代ギリシアの英雄叙事詩である「オデュッセイア」にも手袋を付けた人物の表記などがあります。この頃の手袋は革製のものがほとんどで、綿などの繊維を使うようになるのはもう少し先のことになります。

貴族の嗜みとしての手袋

中世ヨーロッパでは、手袋は上流階級のファッションの一部として認識されるようになりました。女性用の肘までの長さを持つ手袋は、ノースリーブのドレスに合わせて着用され、手首までの丈がある手袋は男性用として使用されてきました。この頃に「左手手袋を相手に投げつけるのは決闘の申し込みの合図」という風習が生まれたようです。この時代の手袋には宝石や金糸の刺繍などが施され、装飾品としての役割を担っていたようです。

手袋の発展

日本に伸縮性のあるメリヤス編みの生地が伝わってきたことで、より手袋は身近なものになって行きます。江戸時代末期に作られた徳川幕府軍では手袋が標準装備とされ、明治時代に入るとメリヤス製手袋の工業化が進歩していくのと同時に日本は軍備を増強させ、手袋の需要は年々拡大していったのです。この時、兵士が着用していた手袋が軍人の手袋、「軍手」となっていったのです。昭和から平成に掛けて、通常の手袋だけでなく車やバイクの運転に適したドライバーズグローブやスポーツ専用の手袋、蓄電池の電力で発熱させる電子式の手袋など様々な手袋が生み出されています。

雪遊びにおける手袋の利点とは

では、雪遊びの際に手袋を着用することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

手袋で寒さから来るダメージを防ぐ

一番のメリットは「寒さと寒さによるダメージを防ぐ」ことです。手袋の防寒効果で末梢の指先まで冷えなくなることで、雪遊びを長時間楽しむことができるようになります。それに寒さによって起こる血行の不順を予防し、霜焼けやあかぎれ、そして凍傷と言った寒さから来るトラブルを回避できるようになります。

手袋の防寒効果による雪遊びの満喫

また、手袋を着用することで冷たい雪を手にとって遊ぶことが苦にならなくなるので様々な雪遊びを楽しむことが出来ます。例えば、雪を掻き取って雪玉を握ることは素手の方が真球に近い雪玉を作れますが、手が冷たくて一個か二個作ってしまえば限界です。手袋を着用していれば、冷たさを感じないので何十個でも次々に雪玉を作れます。雪玉を転がして雪だるまを作るにしても、手袋を着用している方が作りやすいのです。

手袋の緩衝材としての役目

また、スキーやスノボーやスケートで必ず手袋を着用しているのは他の人との衝突の際に手をケガしないようにするためでもあります。スキーやスノボーの際に手を轢かれると人の体重が手に掛かってしまいますし、スケート場ではスケートのエッジで手を切ってしまうことになります。このようなトラブルが起きてもダメージを最小限に食い止めるための緩衝材として、手袋が必要不可欠になってくるのです。

雪遊びの後で気をつけたい手袋のこと

しかし、雪遊びをした後の手袋は手の体温で溶けた雪の水分を吸収してしまっていることがほとんどです。ナイロンや毛糸など、手袋の素材が何であれ遊んでいるうちに手袋は雪の水分を含んでしまうのです。濡れたままの手袋で遊んでいると、まず手が臭くなります。それに加えて、水分が冷やされて手が冷えてしまうのです。なので、スキーやスノボーで遊びに行く時は予備の手袋を用意しておきましょう。手袋を乾かす時はストーブのそばなどに一晩干しておくと完全に乾きます。